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講座/セミナー: [報告]第四回JCAFEサロン「メディア・ビオトープの造成にむけて」  
執筆者: ujihara
発行日付: 2005/3/29
閲覧数: 3077
サイズは 2.76 KB
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□日  時:2005年3月17日 (木)
□場  所:JCAFE東京事務所(東京都千代田区)



メディアやコミュニケーションの環境に関する「メディア・ビオトープ」という隠喩の体系を提唱されている水越伸さん(東京大学助教授)をスピーカーにお招きして,第四回JCAFEサロン「メディア・ビオトープの造成にむけて」を開催し,市民メディア活動やリテラシーに関心のある約20名の方々に参加していただきました.

今回のサロンで水越さんにお話しいただいたのは,ご自身が提唱された「メディア・ビオトープ」という隠喩の体系が生まれた背景やその内容についてです.「メディア・ビオトープ」という隠喩の体系は,彼が仲間とともにデザインしようとしているメディア環境をシンプルな言葉で言い表したもので,その隠喩には目指すべき方向が具体的に想像されています.そのような目指すべき方向を水越さんが示した背景には,現状のメディア環境がはらむ問題点を挙げるだけにとどまっているメディア研究の限界があったそうです.

彼は市民メディアやメディア・リテラシーに関する活動をされている方たちと交流するなかで,実際にメディア環境をつくったり,デザインしたりするような研究をする必要があると思われたようです.しかしながら,批判と実践,大学と現場を結びつけていくような研究には言葉の壁が立ちはだかります.そこで水越さんは,聞く人が直観的に理解できるようなシンプルな言葉からなる隠喩の体系をつくり出されました.それが「メディア・ビオトープ」です.

その「メディア・ビオトープ」を簡単に説明すると,テレビや新聞といったマスメディア(水越さんの隠喩を借りると「杉の木」)の陰に隠れて日の当たりにくくなっている小さいながらも多様なメディア活動を,面的につなげていくことでつくられるメディア環境のことです.だからといってマスメディアを打倒しようとするのではなく,マスメディアも市民のメディア活動も含めたメディアの多様性をもった環境のことです. お話は「メディア・ビオトープ」という理念を語るにとどまらず,その造成に対する課題にまで及びました.できれば「メディア・ビオトープ」をデザインするために水越さんが尽力されているメル・プロジェクトという実践についてもお話いただきたかったのですが,時間の関係で触れていただくことができませんでした.

ただ,水越さんのお話を聞いた後でのディスカッションでは,実際に市民メディアやNPOに関わっている方が多く参加されていたためか,実際的な問題に関する質問が多く寄せられ,メル・プロジェクトにも触れていただくことができ,十分ではなかったかもしれませんが,「メディア・ビオトープ」という理念とメル・プロジェクトという実践という水越さんの両輪を垣間見ることができたように思います. 現状に対して悲観的な状況把握をしつつも,現状をリ・デザインできるはずだというある種の楽観的態度をもたれる水越さんが仲間とともにデザインされる「メディア・ビオトープ」がいかなる姿となるのでしょうか.


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